国連で軍縮を担当する中満泉事務次長は、開催が決まった米朝首脳会談について、「非常に難しい作業の入り口となる」と述べて、北朝鮮の軍縮の道のりは困難なものになるという認識を示しました。

これは、中満事務次長が10日、国連での協議を体験する「模擬国連」に参加する日本の高校生の訪問を受けた際に述べたものです。

この中で中満事務次長は、北朝鮮の非核化について、「今ある核兵器だけでなく、後戻りできない完全な非核化が必要だ。アメリカがどのように作業を進めていくのか、情報収集や意見交換をしながら国連の役割を検討している」と述べました。

そのうえで、来月12日にシンガポールで開催されることが決まった米朝首脳会談について、「北朝鮮は核兵器だけでなく化学兵器も持っているし、生物兵器も持っているだろう。国際社会が経験したことがないような非常に難しい作業の入り口になるだろう」と述べ、成果に期待を示すとともに、北朝鮮の軍縮の道のりは困難なものになるという認識を示しました。

また、中満事務次長は、国連が進める男女の格差の解消について、みずからを含む国連の事務次長以上の幹部職員44人のうち半数以上の24人を女性が占め、国連が各国に派遣している地域調整官も10日にちょうど半数が女性になったとして、国連は率先して女性の能力活用を支援していると強調しました。