• 米国債は長期債が大幅高、イールドカーブのフラット化が再開
  • NY原油は71ドル台、サウジ見解で供給懸念和らぎ上値限定

10日の米株式相場は続伸。米消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回り、米金融当局が利上げペースを引き上げる必要はないと、市場は受け止めた。米国債相場は長期債を中心に反発。5年債と30年債の利回り差は縮小し、2007年以来最小となった。

  • 米国株は続伸、米CPIの伸び予想下回り-半導体銘柄が上げ主導
  • 米国債は反発、10年債利回り2.97%-イールドカーブがフラット化
  • NY原油は続伸、71ドル台維持-サウジの見解で上げ勢いやや衰え
  • NY金は反発、米CPIや英中銀見解受けインフレ懸念和らぐ

S&P500種株価指数は7週ぶり高値に達した。業種別では半導体が上げを主導。10年債利回りの低下を背景に金利敏感銘柄も買われた。S&P小型株600種指数は過去最高値を更新した。S&P500種株価指数は前日比0.9%上げて2723.07。ダウ工業株30種平均は196.99ドル(0.8%)高の24739.53ドル。ニューヨーク時間午後4時35分現在、米10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し2.96%。

ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は続伸。対イラン制裁が懸念されたものの、サウジアラビアが他の産油国と共に影響緩和に取り組む準備があると明らかにし、上値が限定された。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は0.22ドル(0.3%)高の1バレル=71.36ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は0.26ドル高の77.47ドルで終えた。

ニューヨーク金先物相場は反発。4月の米CPIの伸びが自動車価格や航空運賃の低下を受けて予想を下回ったほか、インフレ率はこれまでの予想よりも迅速に低下するとの見解をイングランド銀行が示した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は0.7%高の1オンス=1322.30ドルで終了した。

 

4月の米CPIは自動車価格や航空運賃などの低下を反映し、予想ほど伸びなかった。この指標が株式強気派に活力を吹き込み、S&P500種は100日移動平均を上回った。ブリークリー・ファイナンシャル・グループのピーター・ブックバー最高投資責任者(CIO)は顧客への電子メールで、「インフレ指標から上向きのサプライズが出なかったことで、市場は安堵(あんど)した」と述べた。

米国債市場では30年債が大幅高となる一方で短期ゾーンが横ばいで推移し、イールドカーブがフラット化。財務省が実施した30年債入札は強い需要に支えられた。5年債と30年債の利回り差は29bpを下回り、2007年7月以来最小となった。

原題:Stocks Jump as Dollar Tumbles on Tame Inflation: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Advance on Tame CPI, Bond Auction; Curve Flattens(抜粋)
Crude Holds Above $71 With Global Turmoil Seen at Bay for Now(抜粋)
Gold Gets Lifeline From Surprise Source: Cheap Flights and Cars(抜粋)