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「スプーフィング」や「ウォッシュトレード」など重点捜査に着手
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連邦検察当局はビットコイン先物の取引監視に当たるCFTCと協力
米司法省は、ビットコインなどの仮想通貨について、トレーダーによる価格操作がないか、刑事捜査に着手した。事情に詳しい関係者4人が明らかにした。不正行為がまん延しているとの批判もある仮想通貨市場に対し、米当局が監視を大幅に強化することになる。
匿名を条件に語った関係者によれば、同省が重点的に捜査しているのは、約定を意図しない見せ玉を注文し、狙った方向に価格が動けば素早く注文をキャンセルする「スプーフィング」や、自己売買による仮装取引で第三者を欺く「ウォッシュトレード」などの違法な手口。
連邦検察当局は、ビットコイン先物の取引監視に当たる商品先物取引委員会(CFTC)と協力しているとされる。仮想通貨を巡っては、不正を働くトレーダーを全ての交換所が積極的に追跡しているか疑問がある点や、価格操作を容易にするような大幅な価格変動、株式などとは違って規制を欠くことが、不正の温床となりかねないと懸念されている。
この一報を受けて24日の取引でビットコインは続落し、ロンドン時間午前9時32分現在は3%安の7409ドル。5月4日に付けた直近高値からの下げは20%を超えている。
司法省の報道官はコメントを控えた。CFTCの当局者にコメントを求めたが返答はない。関係者によると、捜査は初期的な段階にあるという。
原題:Bitcoin Manipulation Is Said to Be Focus of U.S. Criminal Probe(抜粋)
Bitcoin Manipulation Said to Be Focus of U.S. Criminal Probe (1)