ネット通販の拡大と人手不足の深刻化で物流倉庫へのロボットの導入が進むなか、複数のAI=人工知能を協調させることで仕分け作業の時間を大幅に短縮するシステムが開発されました。日立製作所が開発したこのシステムは、物流倉庫で棚から商品を運搬し仕分けをする作業を人の代わりに行います。

商品の入った箱を自動で運ぶ台車、箱の中の商品の状況を解析するカメラ、それに商品を取り出すロボット、それぞれにAIが搭載され、互いに協調して仕分け作業を迅速、正確に行うことができます。

これまでのシステムでは商品を運ぶ台車をいったん停止しないと箱から取り出して仕分けする作業がうまくできませんでした。今回のシステムは3つのAIを組み合わせることで台車を移動させたまま仕分けができ、作業時間はこれまでより最大で38%短縮できるということです。物流倉庫での仕分け作業は人手も時間もかかるということで、メーカーでは早ければ2年後の実用化を目指すとしています。

日立製作所の木村宣隆主任研究員は「ネット通販の拡大で商品の量も種類も多くなり作業がふくれあがっている。実証実験を繰り返し早期の実用化を目指したい」と話しています。