4日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下げを縮小。欧州やアジアでの株高の流れを引き継ぐ形で米国株が大きく上げたことが手掛かり。米経済に対する楽観が広がり、貿易問題を巡る懸念がいったん薄らいだ。リスク選好の強まりを反映し、主要10通貨ではオーストラリア・ドルが大きく上昇。一方で円とポンドは下落した。
ニューヨーク時間午後4時51分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前営業日比0.1%低下。一時0.5%低下したが、下げを縮めた。ユーロはドルに対して0.3%高の1ユーロ=1.1696ドル。一時1.1745ドルに上げる場面もあった。ドルは対円で0.3%高の1ドル=109円82銭。
1日に発表された米雇用統計の力強い内容やイタリアでの政局混乱を巡る懸念緩和を背景に、4日の市場ではリスク資産が上昇。ただ貿易を巡る緊張状態は続いており、今週ケベックで主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開催されることから、米国と同盟国の間での貿易問題に再び注目が集まる可能性はある。欧州連合(EU)とカナダは、米国が鉄鋼・アルミニウム輸入関税を撤回しなければ報復措置を講じると表明している。
ユーロは対円では4営業日続伸。イタリア債の上昇を手掛かりに安全通貨である円の需要が低下した。
リスク選好の高まりを反映し、この日はオーストラリア・ドルのほか、ノルウェー・クローネ、ニュージーランド・ドルなど資源国通貨の上昇が目立った。
欧州時間の取引
欧州時間にはユーロが上昇。1日発表された米雇用統計が力強い内容だったことからリスク選好が強まり、安全資産の需要が低下した。
原題:Dollar Pares Decline; Yen Retreats Amid Risk Rally: Inside G-10(抜粋)
Euro Extends Gain as Dollar Turns Trade-Defensive: Inside G-10