[メキシコ市 5日 ロイター] – メキシコのグアハルド経済相は5日、米国の鉄鋼・アルミニウム関税に対する報復措置として米国産豚肉に20%の関税を適用すると発表したことを受け、欧州からの豚肉輸入を増やす考えを示した。

メキシコが報復関税の対象とした脚・肩肉は、年間10億7000万ドルの輸入額のうち約90%が米国産。同部位はハムや加工肉の材料とされ、価格上昇を回避するため米国以外からの輸入を増やす見込みだ。

グアハルド経済相はメキシコ市でのイベントで、米国に代わる輸入先について「一部の欧州諸国から来るのは確かだろう」とし、加工肉の供給網への影響を避け、消費者への影響がないようにすることが狙いだと述べた。

メキシコの主要な農業団体によると、豚の脚肉に関する検疫協定を結んでいる国は、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、デンマーク、チリ、スペイン、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、米国の11カ国だという。

ただ米業界アナリストは、メキシコが供給先を隣国の米国から切り替えるのは簡単ではなく、コストもかかるとの見方を示した。