[東京 29日 ロイター] – 経済産業省が29日発表した5月鉱工業生産指数速報は前月比0.2%低下した。4カ月ぶりの低下となった。ロイターの事前予測調査では前月比1.1%低下と予想されていたが、発表数値は予想を上回った。

生産予測指数は6月が前月比0.4%上昇、7月が同0.8%の上昇となった。経済産業省は生産の基調判断を「緩やかに持ち直している」として据え置いた。

5月の減産幅は事前予想ほど大きくなかったが、自動車生産の大幅減産計画、スマートフォン向け電子部品の在庫調整などが下押し材料となったほか、5月の実質輸出が振るわなかったことも背景。その結果、生産は4カ月ぶりに低下した。業種別にみると、輸送機械工業、鉄鋼業、電気機械工業等が減産の主因。

出荷は前月比1.6%低下、在庫は0.6%上昇した。

ここ3カ月は上昇が続き、その反動もあって低下は避けられないとの見方が多かった。ただ、このところの生産水準の回復傾向もあり、このまま生産動向が悪化するとの見方は少ない。四半期では1─3月に前期比で減少したものの、4─6月期は再び増産に転じるとの見方が根強い。