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イタリアのコンテ首相が初のEU首脳会談で交渉
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亡命希望者に対応するセンター成立でも合意-仏大統領が主導役
イタリアのコンテ首相は初めて参加した欧州連合(EU)首脳会議で、難民・移民の流入阻止や受け入れ分担に向け一連の措置を提示し、交渉で一定の成果を上げた。
ブリュッセルでのEU首脳会議は29日午前4時半(日本時間同日午前11時半)に終了。各国は国境管理の強化や亡命希望者に対応する収容センター設立のほか、亡命の権利があるかどうかを決定し、権利を持たない人を退去させるプロセスの迅速化で合意した。加盟国首脳はイタリアやギリシャといった難民・移民が最初に到着する国の受け入れ能力が限界に達した場合の難民・移民受け入れの分担ルール見直しも公約した。同ルール見直しはイタリアが強く主張していた。
コンテ首相はサミット会場を離れる際、記者団に対し、「イタリアはもはや孤立していない」と述べた。
しかしこの合意内容で、移民問題で強硬姿勢を示すドイツの連立与党キリスト教社会同盟(CSU)をメルケル独首相が納得させられるかどうかは不透明。移民問題で比較的リベラルなメルケル首相やスペインのサンチェス首相らと、移民に強硬に反対するハンガリーのオルバン首相らの間には深い溝がある。
EU首脳会議に先立ち、コンテ政権は地中海で難民・移民を救助した船の入港を拒否した問題を巡り、スペインおよび特にフランスと非難合戦を繰り広げていた。しかし首脳会議の交渉が夕食会まで長引く中、フランスのマクロン大統領が合意案の取りまとめで主導役を果たした。コンテ、マクロン両氏は首脳会議前に短く協議した後、一晩のうちに1対1で2回会談を行った。
原題:Italy Emerges With Migration Package as Europe Closes Doors (1)(抜粋)