3日のニューヨーク外国為替市場ではドル指数が反落。中国人民銀行(中央銀行)の幹部が、米国との通商問題で人民元を武器として活用することはないと表明したことが背景にある。ただ、米中の輸入関税発動期限を控えて緊張が続いている。

米国の独立記念日を翌日に控えたこの日、ドルは主要10通貨全てに対して値下がり。主要通貨ではスウェーデン・クローナが最も大きく上げた。スウェーデン中銀のイングベス総裁が利上げを示唆したことが手掛かり。

人民元は急伸。中国を巡っては、関税の影響を緩和するため元を切り下げているとの観測が広がっており、そうした中で人民銀幹部らは今回、為替への姿勢について説明した。

ニューヨーク時間午後4時46分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.6%低下。ユーロは対ドルで0.2%高の1ユーロ=1.1662ドル。ドルは対円で0.3%下落し1ドル=110円58銭。米国債利回りが低下したほか、米国の祝日を控えてドルのロングポジションを減らす動きが広がった。

ユーロは対ドルでは小幅な上げを維持したが、他のほとんどの主要通貨に対しては値下がり。5月のユーロ圏小売売上高が軟調だったことが背景にある。また域内の当局者らは、貿易問題を巡り警戒感を示した。

欧州連合(EU)のトゥスク大統領は、欧州は貿易に関して最悪のシナリオに備えるべきだと指摘。また欧州委員会のユンケル委員長は、7月遅くにトランプ大統領と貿易に関して協議すると述べた。

欧州時間の取引

ドルは欧州時間も軟調な展開。米独立記念日の祝日を控えてロングポジションを減らす動きが広がった。

原題:Dollar Sags Before U.S. Holiday, Krona Leads Gains: Inside G-10(抜粋)
Dollar Drops as Pound, Krona Enjoy Hawkish Rhetoric: Inside G-10