アメリカ政府は、シリアの内戦でアサド政権が攻勢を強め、避難民が急増していることに懸念を深め、今月中旬のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領との首脳会談で、シリア情勢を主要議題にとりあげる予定です。会談で、内戦終結に向けた糸口を見いだすことができるか注目されます。
内戦が続くシリアでは、アサド政権が、先月19日から反政府勢力が支配してきた南西部の地域への攻勢を強めて戦闘が激しくなり、この地域から逃れた避難民が27万人に急増し状況が悪化しています。
アメリカ国務省のナウアート報道官は3日の記者会見で「空爆が続き、人道援助も止まった。われわれは極めて強い懸念を抱いている」と述べました。
また、シリア情勢を協議するため、ポンペイオ国務長官が、アサド政権の後ろ盾となっているロシアのラブロフ外相と電話会談を行ったことを明らかにしました。
そのうえで、今後、ロシアやシリアの隣国ヨルダンと協議し、戦闘を停止させて状況の改善を目指す考えを示しました。
トランプ大統領は、今月16日にフィンランドの首都ヘルシンキで予定しているプーチン大統領との首脳会談で、シリア情勢を主要議題にとりあげることにしていて、内戦終結に向けた糸口を見いだせるか注目されます。