[アテネ 4日 ロイター] – ギリシャのチャカロトス財務相はロイターとのインタビューに応じ、先に同意を得た債務軽減策の下、同国は自力での資金調達が可能とする一方、長期的な財政目標については将来的に見直しもあり得るとの考えを示した。

ユーロ圏財務相は6月、ギリシャに対する過去の融資の大半について、償還期限と返済猶予期間を10年延長する債務軽減策で合意した。また、8月20日に期限を迎える第3次支援プログラム終了後の資本市場復帰を支援するため、新たに150億ユーロを融資することでも合意した。

ギリシャが抱える債務は対国内総生産(GDP)比で約180%と、ユーロ圏加盟国の中で最も高い。

長期的な市場アクセスと債務返済を維持するため、今後新たな債務軽減策は必要かとの問いに対し、チャカロトス財務相は、必要に応じた追加策に関し、2017年にユーロ圏首脳から得られた確約はさらなるセーフティーネット(安全網)につながると指摘。「足元の状況が整い、これから政府が真摯に政策運営を行うなら、持続性の達成は可能だと思う」と述べ、改革を通じた債務の削減と持続的な高成長の達成こそが政府の目標だと述べた。

ギリシャは向こう2年間で一段の緊縮策の実施にコミットしており、基礎的財政収支(プライマリーバランス)は対GDP比で2022年にかけ3.5%の黒字、それ以降2060年までは同2.2%の黒字を目指しているが、国際通貨基金(IMF)は「目標はかなり野心的」との見方を示している。

チャカロトス氏は「財政黒字はエコノミストの立場からみれば高過ぎる」とした上で「政府は域内の財務相らとも協力してこの問題にあたり、IMFが指摘するよう、持続性に問題がないかどうか見極めていく」とした。