6日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが4日続落。米雇用統計で失業率が予想より悪かったほか、賃金の伸びが予想を下回ったことで、インフレ懸念が後退した。また貿易関係を巡る緊張が続いていることも影響した。ブルームバーグのドル指数は週間ベースで3月以降最大の下げとなった。

ドルは主要10通貨全てに対して値下がり。最も上げたのはニュージーランド(NZ)ドルとスウェーデン・クローナ。幅広くショートカバーが入った。

ドルは米雇用統計発表後に下げ足を速めた。6月の米雇用統計では、失業率が昨年8月以降で初めて上昇し、4%となった。市場予想は3.8%だった。平均時給は前月比0.2%増、市場予想は0.3%増だった。

ポンドは上昇。午後遅くに一時急伸し、2週ぶり高値付近となった。英国のメイ首相と内閣がソフトな欧州連合(EU)離脱のアプローチで合意したことに反応した。

ユーロは米雇用統計後のショートカバーや、関税を巡る当局者発言を手掛かりとした逃避需要で上昇した。

ニューヨーク時間午後4時53分現在、主要通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.4%低下。ユーロは対ドルで0.4%高の1ユーロ=1.1741ドル。ドルは対円で0.2%安の1ドル=110円46銭。

中国の李克強首相は、同国とドイツは互恵的協力の模範となるべきだと語ったと、独紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)が報じた。同首相はそれより先に、貿易戦争で勝者は生まれないと述べていた。

欧州時間の取引

ユーロは欧州時間も上昇、3週ぶり高値を付けた。ドイツの経済指標が好調だったことが手掛かり。ドイツの5月の鉱工業生産指数は前月比2.6%上昇。市場予想は0.3%上昇だった。

原題:Greenback Posts Worst Weekly Decline Since March: Inside G-10(抜粋)