[ニューヨーク 12日 ロイター] –
終盤のニューヨーク外為市場で、ドルは対円で引き続き6カ月ぶり高値で推移。また、対スイスフランでは2カ月ぶり高水準となっている。堅調なインフレ指標のほか、ドルが貿易戦争の恩恵を受けるとの市場の見方が下支えした。

円とスイスフランは安全資産の投資先として選好されるが、米中の貿易摩擦が激化する中、過去1週間は対ドルで弱含んでいる。ドルが貿易を巡る相場変動にも持ちこたえると投資家がみていることが示されている。

テンパス・コンサルティングの外為トレーダー、フアン・ペレス氏は、これについて「米ドルは安全資産としてより大きな役割を果たしている」と指摘した。
ドルは対円で7日続伸し、前日には心理的節目となる112円を1月10日以来初めて突破。この日は112.62円まで上げ、6カ月ぶり高値を新たに更新した。

スイスフランは0.8%下落。1ドル=1フランを上抜け、一時1.003フランを付けた。BMOキャピタル・マーケッツの為替戦略グローバル主任、グレッグ・アンダーソン氏は、貿易戦争についてドルには好材料だろうと指摘。その理由として、「米国は貿易赤字通貨を保有しており、赤字を減らす方法を見つけ、資金フローが同じならドルにはポジティブになる」と説明した。

ドルは主要通貨に対しても続伸。この日発表された6月の消費者物価指数(CPI)は基調的な物価上昇圧力が安定的に増していることを示し、連邦準備理事会(FRB)は段階的に利上げを進める方針とみられる。ユーロ/ドルは1.167ドル付近で推移した。

ドル/円
NY終値 112.55/112.58
始値 112.60
高値 112.62
安値 112.37

ユーロ/ドル
NY終値 1.1671/1.1674
始値 1.1661
高値 1.1695
安値 1.1650