アメリカのポンペイオ国務長官は、北朝鮮と行った協議で朝鮮戦争で亡くなったアメリカ兵の遺骨の収集作業を再開することで合意した、と明らかにしました。
アメリカと北朝鮮は、先月の首脳会談で朝鮮戦争中の捕虜や行方不明になったアメリカ兵の遺骨の返還で合意したことを受けて、南北の軍事境界線にあるパンムンジョム(板門店)で15日、9年ぶりとなる軍の将官級による協議を行いました。
アメリカのポンペイオ国務長官は15日、声明を出し、アメリカ兵の遺骨の収集作業を再開することで合意したと明らかにしました。
また遺骨の返還に向けた米朝の事務レベルの協議を16日から始めるということです。
北朝鮮には今もおよそ5300人のアメリカ兵の遺骨が残されているとみられ、アメリカ政府は1996年から9年間にわたって北朝鮮に33回、調査団を派遣し、行方不明兵の調査や遺骨の収集に取り組んできました。
しかし北朝鮮が核兵器の保有を宣言したことを受けて作業は中断し、2011年にいったん再開で合意しましたが、北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを発射したことで合意は履行されませんでした。
今回、遺骨の収集作業を再開することでは合意しましたが、焦点となっている北朝鮮の完全な非核化に向けては立場の隔たりが埋まっておらず、協議の進展につながるか注目されます。