アメリカのトランプ大統領は「北朝鮮が主要なミサイル施設の解体を始めたことを歓迎する」と述べ、先月の史上初の米朝首脳会談で合意した非核化に向けた北朝鮮との交渉は順調に進んでいると強調しました。
トランプ大統領は24日、中西部ミズーリ州で開かれた退役軍人たちの集会で演説を行いました。
この中でトランプ大統領は「北朝鮮が主要なミサイル施設の解体に着手したことを歓迎したい。北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長との会談はすばらしいものだった。うまく進展しているようだ」と述べて、先月の史上初の米朝首脳会談での合意に基づき非核化に向けた北朝鮮との交渉は順調に進んでいると強調しました。
北朝鮮のミサイル関連施設の解体についてアメリカ政府の公式の発表はありませんが、北朝鮮の動向を分析しているアメリカの研究グループは23日、衛星写真の分析結果として北朝鮮の北西部、トンチャンリ(東倉里)にあるミサイル試験場で施設の一部を解体する動きが始まったと発表しています。
また演説でトランプ大統領は先月の会談の際、キム委員長が朝鮮戦争で死亡したアメリカ兵の遺骨の返還に応じる考えを示したとして、近く、具体的な取り組みが始まることに期待を示しました。
非核化に向けた北朝鮮との交渉をめぐっては具体的な進展が見られないという指摘も出ていて、一連のトランプ大統領の発言には、こうした懸念を払拭(ふっしょく)する狙いもあるものと見られます。
国務長官は評価も圧力維持の考え
一方でポンペイオ長官は、ミサイル試験場の解体に際して現地での査察を許可するよう求めていくことを明らかにしたうえで、完全な非核化に向けて今後も圧力を維持する考えを示しました。
会見では、マティス国防長官も「国連の制裁決議を通じて北朝鮮に圧力をかけ続ける」と述べたうえで、制裁を逃れるために北朝鮮が洋上で行う、いわゆる「瀬取り」に対する取締りの強化に向けて関係国との連携を強化する考えを示しました。