[ニューヨーク 6日 ロイター] –
ニューヨーク外為市場は、ドルが対円で下げ幅を拡大した。トランプ米大統領が米紙ウォールストリート・ジャーナルのコラムニストに、対日貿易問題を検討する可能性を明らかにしたとのCNBCテレビ報道が重しとなった。
報道後、ドルは対円で110.51円と取引時間中の安値を付け、終盤の取引では0.75%安の110.69円。
この日はドルが対主要通貨バスケットでやや値下がりした。7日公表の米8月雇用統計待ちとなっている。6通貨バスケットに対するドル指数は0.13%安の95.061。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニアマーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏は「重要な雇用統計公表を控える中、ドルがアウトパフォーマンスの後、幾分上げを返上した」と話した。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスがこの日に発表した8月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数の伸びが16万3000人となった。市場予想は19万人増だった。
キャピタル・エコノミクス(トロント)の首席米国エコノミスト、ポール・アッシュワース氏は「年上期が非常に堅調だったが、雇用の伸びが再び鈍化し始めたことが示されたようだ」と指摘した。アナリストによると、貿易問題を巡る不透明な状況が続き、ドルには対円、スイスフランで下押し圧力が掛かる。
トランプ大統領は6日のパブリックコメント期間終了後、2000億ドル相当の中国製品に追加関税を課す可能性がある。
ドルは対スイスフランで0.56%安。英ポンドは対ドルで0.21%高。欧州連合(EU)離脱を巡る前日のブルームバーグ報道を受けた合意期待が追い風となり、底堅く推移した。
カナダドルは対米ドルで上昇。カナダ銀行(中央銀行)のウィルキンス上級副総裁が、保護主義的な措置でインフレが高進する可能性があるとし、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉協議が合意に至らなかった場合、利上げせざるを得ない可能性があるとの考えを示した。
ドル/円
NY終値 110.74/110.77
始値 111.27
高値 111.34
安値 110.53
ユーロ/ドル
NY終値 1.1621/1.1623
始値 1.1627
高値 1.1654
安値 1.1606