13日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが大幅上昇し、今月の高値を付けた。米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したほか、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が景気の先行きに楽観的な見通しを示したことが材料。
ユーロは一時、1ユーロ=1.1701ドルまで上昇した。ECBが2018、19年の成長率見通しを引き下げたにもかかわらず、ドラギ総裁はユーロ圏経済は世界的リスクに対応できる十分な強さがあるとの認識を示した。8月の米CPIはコア指数が前年同月比2.2%上昇と、前月の2.4%上昇から伸びが鈍った。
クレディ・アグリコルのG10為替戦略責任者バレンティン・マリノフ氏は同総裁の発言について、「かなり自信があり」、「ここしばらくなかったほどポジティブ」だったと印象を語った。
ニューヨーク時間午後4時46分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%低下。ドルは対円では0.6%高の1ドル=111円95銭。ユーロは対ドルで0.6%高の1ユーロ=1.1690ドル。
ドルは主要10通貨の大半に対して下落。ただ、通商合意を成立させる上で中国は米国よりもプレッシャーを受けているとのトランプ米大統領の発言が伝わった後、ドルは下げ幅を縮小した。アトランタ連銀のボスティック総裁は、米労働市場はほぼ完全雇用の状態にあり、インフレは米金融当局の目標に近いとして、「向こう数四半期」にわたる漸進的な利上げが望ましいとの見解を示した。
欧州時間の取引
ユーロはECBの決定を控えて、対ドルで4営業日ぶりに反落。トレーダーは、市場が織り込んでいるよりも早い時期にECBが利上げに踏み切るかどうか、より明確な手掛かりを得たいとの姿勢を取った。
イタリアの19年予算を巡る対立が続く中でトリア財務相が辞任の用意があると述べたと、同国紙スタンパが報じた。財務省は根拠のない報道だと否定した。
原題:Euro Rallies Following U.S. CPI, Draghi Comments: Inside G-10(抜粋)
Euro Halts Climb as Markets Await Clues on ECB Hike: Inside G-10(抜粋)