21日のニューヨーク外国為替市場ではポンドが下落。2017年6月以来の大幅安をつけた。メイ英首相が欧州連合(EU)離脱交渉は膠着(こうちゃく)状態にあると述べたことが売り材料となった。
スイス・フランは対ドルで上昇した。トレーダーは難航する英国の離脱交渉や米中間の緊張の高まりで逃避先通貨を選好した。
EU加盟国首脳は20日まで2日間にわたりEU首脳会議を開き、メイ首相の案は機能しないと率直に通告。そこから一夜明け、メイ首相はロンドンで声明を発表し、悪い合意ならない方がましだとあらためて強調。首相は交渉が「袋小路に陥っている」と話した。首相発言を受け、ポンドはドルに対し一時1.6%下落した。
ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇。ドルは対円で0.1%未満上げて1ドル=112円59銭。ポンドは対ドルで1.5%下げた。
トランプ米大統領は20日夜、FOXニュースとのインタビューで、「中国に対する態度を明確にすべき時だ」と述べ、通商問題で同国への攻撃の手を緩めない姿勢を明らかにした。
中国共産党中央軍事委員会の装備発展部が米国の制裁を破ってロシア製兵器を購入したとして米国が同部と部長を制裁対象に指定したことについて、中国政府は米国に撤回を要求し、撤回しない場合は「重大な結果を負うことになる」と警告した。
欧州時間の取引
円はポンドを除き主要10カ国(G10)通貨に対して下落した。日本銀行がこの日に実施した国債買い入れオペで超長期ゾーンの買い入れを減額したものの、円は売られた。
日銀はこの日の国債買い入れオペで、残存期間25年超の買い入れ額を500億円と前回から100億円減額した。
原題:Pound Tumbles as U.K., EU Brexit Divide Deepens: Inside G-10(抜粋)
Dollar Set for Worst Week Since July on Risk Demand: Inside G-10 (抜粋)