• ロシア軍情報総局、化学兵器禁止機関のハッキング画策-オランダ
  • マレーシア機墜落事故調査、反ドーピング組織への攻撃にも関与

オランダ、英国、米国の当局がロシアのスパイ活動を暴露した。時にずさんともいえるロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の工作活動の一端が明るみに出た。

オランダ情報当局は4日、情報局員とみられるロシア人4人を拘束し、強制出国させたと発表した。4人は今年4月、車のトランクにWiFiネットワークをハッキングするための特殊機器を隠し入れ、ハーグの化学兵器禁止機関(OPCW)本部に隣接して車を止めていた。OPCWは3月に英国で発生した神経剤による元スパイ襲撃事件の証拠を調べており、英政府はロシア政府が犯行を指示したとして非難している。

米当局が訴追したロシア国籍を持つ7人

  オランダ当局によると、4人の1人はGRUの拠点からモスクワの空港までタクシーを4月10日に利用した際の領収証を保持しており、この空港から4人は外交官パスポートでオランダに入国した。パスポートの2つは続き番号で、4人は2万ユーロと2万ドルの現金を所持していたという。

ロシア情報局員は2014年にウクライナで民間機が撃墜された事件を巡る国際捜査のかく乱も図っていた。オランダのバイレフェルト国防相はハーグで開いた記者会見で「オランダでの工作に関わっていたロシア人情報局員の1人は、マレーシア航空MH17便の墜落事故に関するマレーシアの調査を狙ったGRUの情報活動に、積極的に関与していた」と指摘した。この墜落について国際合同捜査チームは5月、ウクライナの親ロシア派反政府勢力が支配する地域から発射された地対空ミサイル「ブク」によって撃墜されたと断定した。

これらの発表を受けてハント英外相はロンドンで記者団に対し、同盟国とロシアに対する制裁強化を議論する計画だと表明した。ロシアの通貨ルーブルはドルに対して下落している。

原題:U.S. Charges Seven Russians in Hacking and Fraud Indictment(抜粋)
Spy Bust Exposes Methods of Putin’s GRU Military Hackers (1)