[ブリュッセル 10日 ロイター] – 英国の欧州連合(EU)離脱交渉について、EUのバルニエ首席交渉官は10日、来週の首脳会議で合意の目処を付けたいとの考えを示した。アイルランド国境問題に関しては、英国が税関検査を受け入れる必要があると強調した。
バルニエ氏は欧州議会で企業幹部らを前にスピーチし「協議は今週、昼夜を問わず集中的に行われている。最後まで話し合いを続けた場合、17日に合意が手に届く段階にもって行くことを目指す」と述べた。
バルニエ氏は協定が80─85%完成しているとする一方、EU加盟国であるアイルランドと英領北アイルランドの国境管理問題などの解決がなお必要だと述べた。
国境を越えるモノの移動の検査について「可能な限り簡素な方法で」実施するよう対策を取っていると述べた。具体的には、フェリーや港湾、また生産地の工場などでの検査を挙げたが、動物の検疫や食品の安全に関する検査は国境で行われるべきだとした。
EU各国は交渉経過について、12日夕の大使級会合で説明を受ける予定。関係各国は週末も協議を継続し、週明け15日にも進展が見られることを期待している。EU首脳は17日の会議で「決定的な進展」を発表し、11月のサミット再開催で合意したい構えだ。
バルニエ氏は、合意できなかった場合の代償は非常に高く、それは英国だけでなく、自動車などEUの一部産業にとっても同様だと指摘。「それゆえ、合意できなかった場合に備える責任があるとしても、それはわれわれにとって望ましいシナリオでは決してない」と強調した。