【イスタンブール時事】トルコのエルドアン大統領は26日、首都アンカラで演説し、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が死亡した事件をめぐり二転三転するサウジの釈明が「子供じみて滑稽だ」と批判した。死因特定につながる遺体はまだ見つからず、大統領は遺体の行方に関する情報を明かすよう要求した。
エルドアン大統領は23日の演説で、カショギ氏は事前に計画された「残忍な殺人の被害者」と明言。サウジ検察当局は「過失で死亡した」と主張していたが、トルコ側が次々と開示する捜査情報と証拠で追い詰められ、25日になって犯行の計画性を認めざるを得なくなった。しかし、幕引きを急ぐサウジの説明に国際社会は納得しておらず、トルコは圧力を一段と強めている。
エルドアン氏は、トルコが容疑者と見なす15人について「誰がトルコに送り込んだのか説明が必要だ」と強調。遺体の所在も「示されなければ疑念は晴れない」と非難した。サウジの検察幹部が28日にトルコを訪れ、トルコ検察と直接協議するという。