25日、メキシコ南部マパステペクを北へ向かって出発するホンジュラス人たち(EPA時事)

【ワシントン時事】トランプ米大統領は25日、中米ホンジュラスから米国を目指し大規模な集団が北上している問題で、ツイッターに「国家非常事態を受け、軍投入を進めている」と投稿した。米各メディアは、入国管理を所管する国土安全保障省が、経由国メキシコとの国境に最大1000人規模の軍部隊を派遣するよう国防総省に要請していると報じた。

〔写真特集〕米国とメキシコの国境

 トランプ氏はツイッターで「米国への不法入国は許さない。渡米したいなら帰国し、他の何百万人と同様に(米)市民権を申請せよ」とも主張した。ニールセン国土安保長官は25日、FOXニュースのインタビューで「国境防衛の能力強化に向けた協力を国防総省に要請している」と認めた。ただ、要員派遣など具体的な協力内容については「国防総省が決める」と述べるにとどめた。

米軍は議会の承認がなければ非戦闘員に対する法執行ができない。米当局者はロイター通信に、軍が派遣された場合も「後方支援とインフラ整備での協力」に当たると話しており、国境警備隊が主に担う不法越境者摘発には直接携わらないとみられる。トランプ氏は既に、不法移民が多数流出している中米諸国向けの援助打ち切りの方針も表明している。投票まで2週間を切った中間選挙をにらみ、持論である厳格な国境管理に取り組む姿勢を強調する狙いもあるとみられる。