[ニューヨーク 15日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では英ポンドが急落した。英政府は前日、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)協定の暫定合意案を閣議了承したが、これに抗議してラーブ離脱担当相が辞任したことを受けポンドが売られ、1日の下落としては対ユーロで2006年10月、対円で2月下旬以来の大きさとなった。

EU離脱協定の暫定合意案を巡ってはラーブ氏のほか、マクベイ雇用・年金相らも辞任を表明。メイ首相の不信任投票を求める動きもあり、メイ氏は厳しい局面に立たされている。

ポンド相場がブレグジット問題で翻弄される中、ドルと円に対する安全買いが加速。ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのアナリストは、英国の政治的な先行き不透明性が高まっていることで、ポンドのボラティリティーが高い状態が続いている」と指摘。「ラーブ氏の辞任を受け、ポンドは上昇と下落を繰り返し、翻弄されている」と述べた。

午後の取引でポンドは対ドルGBP=D3で1.49%安の1.2789ドル、対円で1.63%安の145.18円。対ユーロEURGBP=D3では1.83%安の88.675ペンスとなっている。

アバディーン・スタンダード・インベストメンツ(ロンドン)のシニア投資マネジャー、ジェームズ・アセイ氏は「ポンドに対する売りは、少なくとも短期的に加速する」との見方を示している。

ユーロは対ドルEUR=EBSで0.28%高の1.1342ドル、対円で0.25%高の128.81円。対円では一時0.55%下落していた。

イタリアのコンテ首相が2019年予算案について、制裁金の回避に向け欧州委員会とともに取り組んでいく姿勢を示したと報じられたことがユーロの支援要因となった。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.16%上昇の96.954。12日には97.693と、1年4カ月ぶりの高水準を付けていた。

ドルは円に対し0.04%安の113.575円。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が前日に経済見通しに対し慎重な見方を示したことがドルの上昇を抑制する要因となった。

ドル/円
NY午後4時 113.57/113.58
始値 113.47
高値 113.70
安値 113.11

ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1332/1.1333
始値 1.1311
高値 1.1362
安値 1.1289