【ティフアナ(メキシコ)時事】米税関・国境警備局(CBP)は22日午後、メキシコ北西部ティフアナで最も往来の激しいサンイシドロ国境検問所を一時閉鎖し、中米諸国から北上している移民希望集団「キャラバン」の強行突破を防ぐための大規模訓練を行った。CBPは所要時間を10分程度と予定していたが、実際には1時間以上に及び、周辺の交通は完全にまひした。
訓練には「1000人以上」(CBP当局者)の警察官や兵士らが参加。ヘリコプターも動員し、発煙弾をさく裂させたり、盾を構えて一列に並んで侵入者を威嚇したりする練習を繰り返した。
歩行者用検問所の前には数百メートルの列ができ、利用者らはうんざりした様子で待機。前列に並んでいたメキシコ人会社員ペドロ・エスコバルさん(21)は「いつもなら10分ほどで抜けられるのに、3時間近く待っている」。病院を訪れるためティフアナに滞在したという米国人女性は「並んだ順番通りに通していない。不公平だ」と係官に食ってかかっていた。
一方、キャラバン参加者が収容されている国境そばのスポーツ施設「ベニトフアレス」周辺では、参加者ら約500人が米国入国を求めてデモを行った。(