[ニューヨーク 12日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では英ポンドが反発した。ポンドは当初1年8カ月ぶりの安値を付けていたが、英国のメイ首相が自らが率いる保守党の党首信任投票で信任されるとの見通しから大きく上昇した。

メイ首相に対する信任投票は日本時間13日午前3時に開始した。

ロイターの調査によると、投票開始時点で約200人の党員が信任を表明。エバーコアISI(ニューヨーク)のストラテジスト、スタン・シップリー氏は「メイ氏は信任される見通しで、信任票が不信任票をどの程度上回るか注目している」と述べた。

ただメイ氏が党首として信任されても、欧州連合(EU)と合意した離脱案に対する十分な支持が得られるかは不明。シップリー氏は「信任後も、離脱合意を受け入れるか、合意なき離脱に進むか、難しい決断を迫られることになる」としている。

終盤の取引でポンドは対ドルGBP=D3で1.23%高の1.2638ドル。一時は1年8カ月ぶりの安値となる1.2477ドルを付けていた。ユーロ/ポンドEURGBP=D3で0.71%安の90ペンス。

この日はイタリアのコンテ首相が2019年予算案を巡る財政赤字の対国内総生産(GDP)比率目標について、当初案の2.4%から2.04%に引き下げたと表明。これを受けユーロは対ドルで上昇し、ユーロ/ドルEUR=EBSは0.42%高の1.1365ドルとなっている。

主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.34%安の97.06。ただ、米国債利回り上昇のほか、11月の消費者物価統計で基調的な物価圧力の底堅さが示されたことなどで、ドルの下落は限定された。

労働省発表の11月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の上昇率が前年比2.2%となり、10月の2.1%から加速。連邦準備理事会(FRB)が18─19日の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を2.25─2.50%に25ベーシスポイント(bp)引き上げるとの見通しを裏付ける結果となった。

ドル/円
NY終値 113.27/113.30
始値 113.40
高値 113.44
安値 113.15

ユーロ/ドル NY終値 1.1368/1.1369
始値 1.1333
高値 1.1388
安値 1.1325