[ニューヨーク 20日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが対円で約3カ月ぶり安値を付け た。米連邦準備理事会(FRB)が前日、2019・20年の利上げ見 通しと米成長率予測を引き下げたことが引き続き材料視された。

主要6通貨に対するドル指数も1カ月ぶり安値を更新した。FRBは19日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、 2019年の利上げ回数の見通しを2回とし、9月会合時に示した3回 から引き下げた。19年の成長率についても2.3%と予測し、前回の 2.5%から下方修正した。

TDセキュリティーズのシニア為替ストラテジスト、メイゼン・イ ッサ氏は「FRBが慎重姿勢を強める状況では市場心理は改善しないだ ろう」とし、「貿易摩擦が解消されず、米政治環境が悪化する中、リス ク回避の動きが一段と進む公算が大きい」と述べた。

ドル/円は一時110.82円に下落し、9月初旬以来の安 値を更新。終盤の取引では1.4%安の111.13円で推移。日銀は19─20日に開いた金融政策決定会合で、短期金利をマイ ナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカ ーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の現状維持 を決めた。

主要6通貨に対するドル指数は0.8%安の96.263。 一時1カ月ぶりの安値となる96.042を付けた。1日の下げ率とし ては6週間ぶりの大きさ。スウェーデンクローナの上昇が目立ち、対ドルで0.6%高 。スウェーデン中央銀行はこの日、2011年7月以来約7年ぶりに利 上げを実施した。

ユーロ/ドルは一時6週間ぶり高値を更新。その後は0.8 %高の1.1466ドル。イタリアが2019年予算案を巡り、欧州委 員会と合意に達したとのニュース引き続き材料視された。最新のデータによると、第3・四半期の米企業による利益の本国還 流は930億ドルと、第1・四半期の約3000億ドルから大幅に減少 し、ドルの見通しに影を落とす格好となった。

ドル/円 
NY午後4時 111.22/111.23
始値 111.70
高値 111.83
安値 110.82
ユーロ/ドル 
NY午後4時  1.1460/1.1461
始値 1.1464
高値 1.1485
安値 1.1403