- 合意なしのEU離脱、「議会の明確な同意」が前提-メイ首相
- 与党の造反組、矛を収める様子-首相は延期望まず短期限定強調も
メイ英首相は自身が欧州連合(EU)と結んだ離脱合意に議会の支持が得られない場合、EUへの離脱延期要請と合意なしの離脱について採決を実施すると約束した。
メイ首相は26日に議会で、3月29日に予定通り離脱を実現できるようEUと合意に達するべく努力を続ける意向だと表明。それができなかったとしても、議会の同意なく合意なしの離脱に踏み切ることはないとし、「3月29日に合意なしでEUを離脱するのは、議会の明確な同意があった場合だけだ」と言明した。
首相が描く日程は以下の通りだ。
- 遅くとも3月12日までに、議会は首相のEU離脱合意について採決
- 否決される場合、遅くとも13日に議会は合意なきEU離脱の是非を採決
- これも否決なら合意なきEU離脱の選択肢は排除され、3月29日のEU離脱日を短期間延長する案を採決する。延長後の新たな離脱日は遅くとも6月末となる可能性
合意なきEU離脱に向かう事態を危惧する議員らは、首相に対する圧力を強めていた。27日には離脱交渉の主導権を首相から議会に移すことを求める動議の採決が予定され、最大で閣僚20人がメイ首相に反旗を翻すとの観測も出ていた。だが、首相の答弁を受けて、造反組とされた一部からは矛を収める様子が見られている。
この動議の準備に関与してきた与党保守党のレトウィン議員は、動議がもはや「必要ない」との見方を示した。ハリントン民間企業担当閣外相は今や安心したとし、採決で首相に反対票を投じることを理由に辞任する必要もなくなったと述べた。
ただ、2時間に及んだこの日の議会でメイ首相は離脱延期は望まず、3月末までにEUと合意することを引き続き目指していると明確にした。首相は延期があるとしても可能な限り短い期間だと強調し、「6月末を越えることはない。短期間の延期はほぼ確実に1回限りになるだろう」と語った。
原題:May Offers Parliament Vote to Delay Brexit If No Deal Is Agreed (1)(抜粋)