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今後、他国に華為の排除を促した米当局者に一段と厳しい対抗措置も
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提訴は米政府の動き抑える取り組みとして試し得ると識者が指摘
中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)は同社製品が一部の通信ネットワークから不当に排除されたとして、米政府を提訴した。米政府は華為が中国政府のスパイ活動を助けていると主張してきた。
テキサス州の連邦地裁に提出された訴状によると、華為は米政府機関が同社と中興通訊(ZTE)の機器を使用するのを禁止する法規を問題視し、公正な裁判なしに特定の個人や団体に罰則を科すのは憲法違反だと主張している。ホワイトハウスにコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
華為は今後、他国にも華為の次世代通信規格「5G」ネットワーク機器を使用しないよう促してきた米当局者に一段と厳しい対抗措置を講じる可能性が出てきた。米政府の要請に基づき昨年12月1日にカナダで逮捕された同社の孟晩舟最高財務責任者(CFO)は数日前、カナダ人権憲章で保障されている権利が侵害されたと主張し、カナダ当局を提訴していた。
米国で華為が違憲としているのは2019年国防権限法の条項。同社はこの条項について訴状で、政府機関や政府との契約企業に加え、政府から融資や補助金を受けている企業に対し、華為やZTEの機器使用を禁じていると説明。米憲法が禁じている、裁判なしで立法により刑罰を科す私権剥奪法だと主張した。
ウェイン州立大学法科大学院のピーター・ヘニング教授は華為の提訴について、「この主張が認められることは非常に難しいが、米政府の動きを抑えようとする取り組みの中で試し得るものだろう」とポッドキャストでブルームバーグに語った。
原題:Huawei Sues U.S. Over Equipment Ban, Escalating Legal Clash (1)(抜粋)