[ローマ 8日 ロイター] – イタリアのコンテ首相は8日、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への参画は、イタリアにとって良い機会となる可能性があるとの見解を示した。中国の習近平国家主席がイタリアを訪問する際、同構想への参画に関する覚書に署名する可能性がある。
コンテ首相は外交政策に関するセミナーで、中国で4月に行われる一帯一路構想に関する会合に出席することを明らかにした。
中国の習主席は3月22─24日にイタリアを公式訪問する。コンテ首相は、習主席の訪問中に両国が枠組み合意を目指していると指摘。「必要な慎重さを保ちながら一帯一路構想に参画することは、イタリアに1つの機会となる」とし、「参画した次の日から義務が発生するわけではない。このプロジェクトに参加し、対話に参加できるようになる」と述べた。
習主席は今回のイタリア訪問を通して、貿易と投資の促進のほかに科学、技術、文化の分野でも交流を深めたい考え。
米国は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ) と中興通訊(ZTE)が製造する機器がスパイ行為に使われているなど懸念を表明。コンテ首相はこうした懸念には賛同するとし、イタリアも警戒する必要があるとの見解を示した。ただ「ファーウェイとZTEはイタリアで何年にもわたり堅調に事業を展開している」とし、イタリア政府が両社の機器に対する新たな対応を準備していることは示唆しなかった。
一帯一路構想を巡る覚書には、欧州連合(EU)加盟国の中でこれまでにポルトガル、ギリシャ、ポーランド、ハンガリーなどが署名。イタリアが署名すれば主要7カ国(G7)からは初めてとなる。