[ニューヨーク 25日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではユーロが上昇。IFO経済研究所が発表した3月のドイツ業況指数が市場予想を上回り、景気後退(リセッション)懸念が後退した。また、安全資産と見なされる円は6週間ぶり高値から下落した。 

ドイツのIFO経済研究所が発表した3月の業況指数は99.6と、前月改定値の98.7から上昇し、予想の98.5を上回った。前月までは6カ月連続で低下していたが、昨年景気後退を免れたドイツ経済が上向いている可能性が浮き彫りとなった。 

独業況指数を受け、ドイツ10年債DE10YT=RR利回りは一時プラス圏に浮上し、欧州株を下支えた。またユーロEUR=EBSも対ドルで0.2%上昇し、日中高値の1.13315ドルを付けた。 

ユーロは対円で序盤に123.875円を付けたが、その後0.46%高の124.81円まで上昇した。 

ユーロや新興国通貨の緩やかな反発が持続するかは不透明。アナリストによると、トレーダーの間では、この日も2営業日連続で米国の長短金利が逆転していることへの懸念が続いている。 

コメルツ銀行のアナリスト、ウルリッヒ・ロイヒトマン氏は「安全資産への逃避が終わったとは言えない。全体的なリスクオフ心理は(22日と)同じほどではないが、しばらく優勢だろう」と指摘。ただ、ユーロ圏や米国が短期的に景気後退に陥る可能性は低いとの考えも示した。 

主要通貨に対するドル指数.DXYは0.15%安。2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を巡る捜査報告書で、モラー特別検察官はトランプ陣営とロシアの共謀を示す証拠はないとしたが、市場はほとんど反応しなかった。 

円は対ドルJPY=EBSでほぼ横ばいの109.935円。この日は一時6週間ぶり高値となる109.7円を付けた。 

英ポンドは終盤、対ドルGBP=D3と対ユーロEURGBP=D3でこの日の下落分を一部取り戻した。ポンド/ドルは0.24%安の1.318ドル。ユーロ/ポンドは0.43%高の85.9ペンス。英議会ではこの日、欧州連合(EU)離脱への対応に関する一連の採決が予定されている。 

ドル/円

NY終値 109.95/109.98 

始値 110.16 

高値 110.21 

安値 109.76 

ユーロ/ドル

NY終値 1.1311/1.1315 

始値 1.1313 

高値 1.1332 

安値 1.1304