トランプ大統領

アメリカのトランプ大統領が東アジア政策を担当する国務次官補に指名したスティルウェル氏は、議会で「中国との戦略的競争は後世まで続く課題だ」と述べ、日本など同盟国と協力して対抗していく考えを示しました。

アメリカの国務省で東アジアと太平洋地域を担当する国務次官補は、トランプ政権発足のおよそ2か月後から空席のままでしたが、去年10月、トランプ大統領はスティルウェル氏を指名しました。

スティルウェル氏は27日、指名承認に向けて議会上院の外交委員会の公聴会に出席し、はじめに「日本、韓国、オーストラリアそれにフィリピンとの強固な同盟をさらに強化していく」と述べました。

一方で、中国については、「一帯一路構想や南シナ海の軍事化などでほかの国の主権を損なっている。中国との戦略的競争は後世まで続く課題だ」と述べて対抗していく方針を示し、特に人権や宗教をめぐる問題で改善を求める考えを示しました。

また、北朝鮮について「われわれはかつてだまされた。圧力を緩めるのが早すぎればまた元に戻ってしまう」として、完全な非核化まで制裁を解除しない方針を強調しました。

スティルウェル氏は、アメリカ軍三沢基地の司令官などを歴任した退役空軍准将で、韓国語や中国語が堪能で東アジアの情勢に精通しており、どのような手腕を発揮するのか注目されます。