[ワシントン 5日 ロイター] – トランプ米大統領は5日、メキシコを通して米国に密輸される違法薬物を巡り、関税措置とは別の経済制裁の導入を検討していることを明らかにした。 

トランプ氏は前日、移民、違法薬物密輸問題への対応でメキシコが引き続き米国に協力しなければ、メキシコからの輸入する自動車に関税を課すことも辞さない構えを示し、関税をかける場合は税率は25%に設定すると表明。 

この日はツイッターで、メキシコが不法移民の拘束や本国送還をやめれば、国境閉鎖も辞さない構えを改めて示した。 

「米国の南側の国境からメキシコを通して密輸される5000億ドルの違法薬物に対する経済制裁を検討している」と表明、薬物流入で米国民が死亡し、多くの家庭が崩壊したとの認識も示した。 

トランプ氏は、違法薬物に関連する措置は北米自由貿易協定(NAFTA)を改定した「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の条項に優先するものとなると表明。「違法薬物を押収し、密輸元の国に送り戻すことをメキシコがやめれば、米国はメキシコから輸入するすべての自動車に25%の関税を掛ける。これで効果が出なければ、米国は国境を閉鎖する。こうしたことはUSMCAの下での合意事項より優先される」とツイートした。 

トランプ氏が具体的にどのような新たな制裁措置を検討しているのかや、5000億ドルという数字の出所も現時点で分かっていない。ホワイトハウスからも詳細に関するコメントは得られなかった。 

米麻薬取締局(DEA)の元幹部は、国内に密輸される薬物は年間500億─600億ドル相当でないかと推定し、トランプ氏が自国の薬物問題の責任をメキシコに転嫁したと指摘。「トランプ氏は米国内の需要抑制や薬物治療センター支援に注力すべきだ」と訴えた。 

トランプ氏は2日間の日程で国境近辺を含む地域を訪問する。