[ニューヨーク 11日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇した。インフレ指標や新規失業保険申請件数が追い風となった。
米労働省が11日公表した6日終了週の新規失業保険申請件数は前週比8000件減の19万6000件と、1969年10月以来、約49年半ぶりの低水準に改善した。
また3月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.6%上昇と、2018年10月以来の大幅な伸びとなった。ガソリンの値上がりが全体水準を押し上げた。市場予想は0.3%上昇だった。
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの外為戦略部門ディレクター、カール・シャモタ氏は、非常に低水準の新規失業保険申請件数とかなり堅調だったPPIにより、ドルが上昇したと指摘。「全体的には年内の利下げ期待が低下し、(資金が)ドルに流入した」と述べた。
米セントルイス地区連銀のブラード総裁が11日、米連邦準備理事会(FRB)が利下げの検討を迫られるには、米経済が予想以上に鈍化したり、インフレが下振れする必要があると述べるなど、この日は複数の当局者が現在の金利水準は妥当との見方を示した。
終盤の取引では、ドル指数.DXYは0.21%高の97.153。同指数は今週、0.5ポイントの狭いレンジで取引されている。
ユーロは下落。ユーロ圏経済がリスクに直面していると強調した10日のドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言が引き続き重しになった。
EUはブリュッセルで開いた緊急首脳会議で、英国のEU離脱の再延長で合意。 ただメイ英首相の辞任観測や長引く不確実性を受けた英経済への懸念で相殺された。
シャモタ氏は「ブレグジットを巡る懸念とECBのハト派姿勢の強まりがユーロやポンドの重し」と述べた。
ドル/円
NY終値 111.65/111.68
始値 111.10
高値 111.69
安値 111.12
ユーロ/ドル
NY終値 1.1250/1.1255
始値 1.1283
高値 1.1284
安値 1.1250