- 「10月増税の基本姿勢変わらぬ」「GDP、世界経済にも目配り」
- 立民・福山氏「いよいよブレた」、国民・大塚氏「観測気球」
自民党の萩生田光一幹事長代行は19日午後、消費税率8%から10%への引き上げ時期を今年10月から延期する可能性について言及した自らの発言は「個人の見解」であり、リーマンショック級の出来事がない限り予定通り実施との政府方針に「異議を唱えたつもりはない」と釈明した。党本部で記者団に語った。
萩生田氏は「10月に10%を国民の皆さんにお願いする、この基本姿勢に私の考えは変わりない」と話した。増税を延期する判断材料の一つとして日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)などを挙げた真意について「小さな足元の数字だからと言って見落とすことのないように、聞き漏らした声がないか、全国の仲間の皆さんとしっかりその声を聞いていく、その姿勢を示した」と説明した。
同時に短観のみならず、国内総生産(GDP)速報値、世界経済のリスクなどを含めて「しっかりと目配りし、万万が一にも景気の腰折れがないよう、きちんとした政策を総合的に対応していく必要がある」とも述べた。増税延期なら国民に「信を問うということになる」との発言については、「過去の例にならって何らかの国民の了解を得る必要性があるのではないかということに言及した。もとより解散権は総理の専権事項なので、その例にならって例示したのみだ」と語った。
消費増税延期の可能性に言及した萩生田氏の発言に関する記事はこちら
萩生田氏の消費増税延期発言に関する受け止めは以下の通り。
- 麻生太郎財務相(19日、閣議後会見):消費増税は全世代型の社会保障体制を構築するため、「安定財源確保していく意味においても必要」
- 菅義偉官房長官(同):「リーマンショック級の出来事が起こらない限り、10月に10%に引き上げる」、「予定通り引き上げられるよう、経済運営に万全を期していく」
- 立憲民主党・福山哲郎幹事長(18日、党ウェブサイト):「やっと景気の悪化を認めた。消費税の増税の延期まで示唆をした。いよいよブレだしたという印象だ」
- 国民民主党・大塚耕平代表代行(19日、NHK放映):「官邸と連携した観測気球を上げ始めたと捉えるのが合理的だ」