[ニューヨーク 24日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では独IFO業況指数が予想外に低下したことで、ユーロがドルに対し1年10カ月ぶりの安値を付けた。市場では米国とユーロ圏の経済指標が逆方向の動きを示していることが意識されている。
独IFO経済研究所が発表した4月の業況指数は99.2と、前月改定値の99.7から低下し、経済の勢いが鈍っていることが示唆された。同指数は2月まで6カ月連続で低下した後、3月に上昇に転じた。市場は4月も99.9に小幅上昇すると予想していた。
ユーロ/ドルEUR=は0.68%安の1.1149ドルと、2017年6月以来の安値を付けた。1日の下落としては約7週間ぶりの大きさとなる見通し。
ケンブリッジ・グローバルペイメンツの外為戦略部門責任者、カール・シャモッタ氏は「中国の金融情勢や融資状況の改善でドイツの輸出品に対する需要が押し上げられ、これによりユーロ圏中核国で心理が上向くと期待されていた」と指摘。ただ「ドイツで必ずしも上向いていないことが確認された」と述べた。
一方、ドルはこのところの好調な経済指標が追い風となっている。シャモッタ氏は「米経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)が劇的に改善しているわけではないが、他との比較で資金を移す場所として米国が魅力的に見えている」との見方を示した。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.49%高の98.119と、17年6月以来の高水準を付けた。市場では26日発表の第1・四半期の米国内総生産(GDP)統計が注目されている。
ドル/円JPY=は0.38%高。日銀は25日までの日程で開いている金融政策会合で政策据え置きを決定するとの見方が大勢となっている。
豪ドルAUD=は1.25%安。オーストラリア連邦統計局が発表した第1・四半期の消費者物価指数(CPI)が3年ぶりの低い伸びに鈍化し、年内利下げの観測を強める格好となったことが背景。
英ポンドは2カ月ぶりの低水準近辺で推移。欧州連合(EU)離脱を巡る与野党協議の膠着が引き続き重しとなっている。
カナダドルCAD=は対米ドルで下落し、約4カ月ぶりの安値を更新。カナダ銀行(中央銀行)はこの日、政策金利を予想通り1.75%に据え置いたが、将来の利上げの必要性を巡る文言を削除し、19年の成長見通しを1.7%から1.2%に下方修正。これを受け、年内利下げの観測が高まったことがカナダドルの重しとなった。
ドル/円
NY終値 112.17/112.20
始値 111.86
高値 112.39
安値 111.69
ユーロ/ドル
NY終値 1.1152/1.1156
始値 1.1208
高値 1.1212
安値 1.1141