[ニューヨーク 9日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、円が対ドルで3カ月ぶりの高値に浮上したほか、スイスフランも3週ぶりの高値となった。米中貿易摩擦の激化を懸念し、安全通貨に資金が逃避した。
きょうから2日間にわたって米中通商協議がワシントンで行われる。投資家は米国の対中関税引き上げを回避できるか注視している。
シリコンバレー銀行のシニア外為トレーダー、ミン・タン氏は「今週は通商に関するニュース一色だ」とし、「トレーダーは資金を安全通貨に移動させ、そこにとどめている」と述べた。
午後中盤の取引で、円は対ドルJPY=で上げ幅をやや縮め、0.35%高の109.7円で推移。スイスフランCHF=は序盤の取引で4月18日以来の高値を付けた。
投資家の一部では安全資産である両通貨の一段高が予想されている。オアンダのチーフ通貨ストラテジスト、ディーン・ポップルウェル氏は「通貨のリスク回避先はスイスフランや円などだ。これらの通貨には貿易戦争の完全な織り込みに向け上昇余地がまだある」と述べた。
一方、中国経済見通しの指標とされる豪ドルAUD=や米ドル.DXY、オフショア中国元CNH=は下落。
ドル指数は終盤で0.21%安の97.415。人民元は6.863元と4カ月ぶりの安値を付けた後、終盤では0.43%安の6.837元。
ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏は「中国元は世界で最も重要な通貨」と指摘。「人民元は最も取引されている通貨ではないが、あらゆる市場の安定性の『いかり』であり、これが外れれば、ドルと円の上昇につながる」と述べた。
ドル/円
NY終値 109.75/109.77
始値 109.87
高値 109.89
安値 109.47
ユーロ/ドル
NY終値 1.1220/1.1225
始値 1.1189
高値 1.1251
安値 1.1185