4日のニューヨーク外国為替市場では、ドル指数が3週間ぶりの水準に下落。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る」と発言したことで、リスクの高い資産が上昇、逃避先資産が圧迫された。

  • ニューヨーク時間午後4時32分現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%低下し、4営業日続落。一時は5月13日以来の低水準となった
  • ドルは主要10通貨に対して広範に下落。一方、カナダ・ドルやオーストラリア・ドルなど資源国通貨は値上がり
    • 円は軟調。米国債利回りの上昇や米国株が1月以来の大幅高となったことが背景
  • パウエル議長は貿易摩擦の影響を今後も注視していくと約束。クラリダFRB副議長は当局が2大責務の遂行に向け政策を講じると発言
  • シカゴ連銀のエバンス総裁は金融市場からの利下げ圧力を一蹴。セントルイス連銀のブラード総裁は前日、物価上昇率を押し上げ、経済への下振れリスクに対応するには、近く政策金利の引き下げが必要になる可能性があると述べた
  • 米10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.12%。前日までの5営業日で25bp低下していた
    • 米2年債利回りは5bp上昇の1.88%。前日は1.81%と、2017年12月以来の低水準をつけていた
  • メキシコのエブラルド外相は、米国との交渉で関税回避につながる解決策にたどり着く確率は80%だと発言。一方でトランプ米大統領は、予定通り10日に5%の関税を課すだろうと述べた
    • ムニューシン米財務長官は今週日本で開かれる20カ国・地域(G20)財務相会議で、中国当局者と顔を合わせることが予想されるが、米中の会合は設定されていない。米当局者が明らかにした
  • ドルは対ユーロで0.1%安の1ユーロ=1.1253ドル。対円では0.1%高の1ドル=108円15銭
Euro 3-week risk reversals climb to highest level since Jan. 2018

欧州時間の取引

  パウエルFRB議長の講演を控え、ドル指数が小幅上昇。市場では利下げのシグナルが得られるかどうかに注目が集まった。ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)は市場予想をわずかに下回ったものの、ユーロは3営業日続伸。円は一時、ほぼ5カ月ぶりの高値を付けた。

原題:Dollar, Havens Weaken as Powell Buoys Equities: Inside G-10(抜粋)