[サンクトペテルブルク(ロシア) 7日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は7日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する措置を含む米国の強硬な対応は、貿易戦争だけでなく最終的には実際の戦争を引き起こす恐れがあると警告した。
プーチン大統領は、ロシアを訪問中の中国の習近平国家主席と共にロシア北西部サンクトペテルブルクで開かれている国際経済フォーラムに出席。ファーウェイ製品の締め出しやロシア産天然ガスを欧州に輸送するパイプラインの阻害などを挙げ、米国の「抑制の効かなくなった経済エゴイズム」を鋭く批判し、米ロ関係が冷戦後で最悪の水準に冷え込む中、米国と貿易戦争を繰り広げている中国との連帯を強調した。
プーチン氏は「米国は以前は真摯で開放的な競争に基づく自由貿易を促進していたが、今は貿易戦争や制裁措置のほか、脅しをかける戦略、いわゆる『非市場的』な手段を利用し始めた」と指摘。「米国はファーウェイを締め出すだけでなく、世界市場から駆逐しようとしており、こうしたことは一部でハイテク戦争と呼ばれている」と述べた。
その上で、世界は「一般的な国際ルールが行政、および法的メカニズムのルールにとって代わられる」時代に陥るリスクに直面しているとし、「残念ながら米国はまさにそのように行動している」と批判。「これは終わりのない紛争や貿易戦争への道であり、誰もが互いに闘争を繰り広げるルールのない戦争への道であるとも言える」と述べた。
中国の習主席はプーチン氏ほどは語気を強めず、世界の主要国に対し他国間貿易システムの保全を呼び掛けるにとどめた。