[ブリュッセル 21日 ロイター] – 欧州連合(EU)は21日、ブリュッセルで2日目の首脳会議を開いた。ユーロ圏の共通予算については、財源を優先課題として検討するよう財務相に指示した。共通預金保険制度についてはなお具体案がまとまらなかった。 

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のセンテノ議長(ポルトガル財務相)はこの日、共通予算などについて昨年12月以降に合意した内容を各国首脳に説明。ユーロ圏の銀行同盟を完成させるために創設が検討される域内共通預金保護制度の欧州預金保険スキーム(EDIS)も含まれた。 

ユーロ圏財務相らは共通予算の財源や使途、管理方法、規模などについて検討を続けてきたが、各国で意見の隔たりが大きく進展は限定的なままだ。フランスと南欧諸国は、予想外のショックに備えて税金を財源とした大規模な予算とすべきだと主張。一方、オランダや北欧諸国は既存のEU予算を拡大し、投資や構造改革支援に向け小規模な予算とするよう求めている。 

EU各国首脳は声明で「ユーログループと委員会にすべての懸案事項に今後も取り組むよう求める」と指摘。ただ、合意期限は設定しなかった。 

また、ユーログループに対し予算の財源について解決策を速やかに報告するよう求め、共通予算の規模を決めるために優先的に合意されるべきだとした。 

EUは現行予算が終了する来年末までに新たな長期予算で合意する必要がある。