[ニューヨーク 3日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル/円が1週間ぶりの安値を付けた。米債利回りの低下や米中通商協議を巡る楽観的な見方の後退が重しとなった。
翌日が米独立記念日で休場となるため、商いは限定的。この日発表された米経済指標はまちまちで、ドルの方向感は定まらなかった。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した6月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が10万20000人増と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の14万人増を下回った。
キャピタル・エコノミクスの首席米国エコノミスト、ポール・アシュワース氏は、ADP統計を受け、経済の悪化が労働市場に広がっていると指摘。「米中通商協議が軌道に乗ったとしても、少なくとも現時点では、雇用の伸び鈍化を示す兆候は7月または9月の米利下げに十分だ。ただ50ベーシスポイント(bp)の利下げ予想は見当違いだろう」と述べた。
米労働省が3日公表した6月29日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)も前週比800 0件減の22万1000件と、市場予想の22万3000件を下回った。
米供給管理協会(ISM)が3日発表した6月の非製造業総合指数(NMI)は55.1と、前月の56.9から低下。市場予想の55.9を下回り、2017年7月以来約2年ぶりの低水準に並んだ。
午後の取引で、ドル/円JPY=は0.1%安の107.82円。一時107.54円と1週間ぶり安値を付けた。 主要6通貨に対するドル指数.DXYは横ばいの96.765で推移。米10年債利回りUS10YT=RRが1.94%を下回り、2年半ぶりの低水準となったことを受け、ドル指数は下落する場面があった。
米連邦準備理事会(FRB)が今月の会合で利下げするとの期待感が高まっている。市場が織り込む次回会合での25bpの利下げ確率は70%超となっている。 ユーロ/ドルEUR=は1.1283ドルで変わらずだった。
ドル/円
NY終値 107.82/107.84
始値 107.62
高値 107.88
安値 107.62
ユーロ/ドル
NY終値 1.1277/1.1279
始値 1.1297
高値 1.1310
安値 1.1273