[ニューヨーク 3日 ロイター] – 米国株式市場は独立記念日の祝日を控えた短縮取引の中、主要指数がそれぞれ終値での過去最高値を記録した。景気鈍化の兆しが経済指標によって新たに示され、米連邦準備理事会(FRB)がよりハト派に傾くとの見方が強まった。 

米商務省が3日発表した5月の貿易赤字は前月比8.4%増の555億ドルと、5カ月ぶりの高水準となった。また、5月の製造業新規受注は2カ月連続でマイナスとなり、製造業が弱含み続けたことを示した。 

グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は「指標はまちまちで、ひどくはない。ただ、概して下向きだ」と指摘。「債券市場で利回りが過去最低を記録し続けている。それは景気が明らかに鈍化し、FRBに利下げが必要というメッセージで、株式市場としてはOKだと言っている」と述べた。 

ディフェンシブ銘柄と見なされる公益株.SPLRCUや不動産株.SPLRCT、主要消費財株.SPLRCSが上昇率上位。国債利回りの低下を受け、配当利回りの高い株式の魅力が高まっている。 

市場が織り込む7月の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%の利下げ確率は29.7%で、前日の25%、1週間前の24%から上昇。0.25%利下げの可能性は完全に織り込まれている。 

経済指標ではこの他、企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが発表した6月の全米雇用報告で、民間部門雇用者数が10万20000人増と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の14万人増を下回った。 

個別銘柄では、サイバーセキュリティー大手シマンテック(SYMC.O)が13.57%高。関係筋によると、半導体大手ブロードコム(AVGO.O)がシマンテック買収を巡り進んだ段階の協議を行っている。 

電気自動車(EV)メーカーのテスラ(TSLA.O)は4.61%高。第2・四半期の納車台数が9万5200台と市場予想を大きく上回り、過去最高を記録したことを好感した。 

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.64対1の比率で上回った。ナスダックも1.85対1で値上がり銘柄数が多かった。