[ニューヨーク 5日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では米雇用統計が堅調だったこと受け、ドル指数が2週間半ぶりの水準に上昇した。 

6月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が22万4000人増と5カ月ぶりの大幅な伸びとなり、ロイターがまとめたエコノミスト予想の16万人増を上回った。

CIBCキャピタルマーケッツ(トロント)の北米外為戦略部門責任者のビパン・ライ氏は「米雇用統計は予想を超えて良好だった」とし、「薄商いの中、ドルは上昇している」と述べた。米金融市場は前日は独立記念日の祝日のために休場。この日も市場参加者は少なく、商いは細っている。 

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.56%上昇の97.311。一時は97.443と、6月19日以来の水準に上昇した。 

ただ、今回の雇用統計でも賃金の伸びは抑制されており、米経済が減速している可能性があることも示唆されたほか、雇用者数は6月に大きく伸びたものの、前月の弱さを相殺するには十分ではなかった。ライ氏は「6月は予想を大きく上回ったが、5月は予想を大きく下回っていた」とし、「5月と6月を合わせて考えると、伸びは前年から鈍化している」と述べた。 

6月は時間当たり賃金は前月比0.2%(6セント)増。前月は0.3%増加していた。前年同月比では2カ月連続で3.1%増だった。 

米連邦準備理事会(FRB)が近く利下げに踏み切るとの観測から、5月に2年ぶりの高値を付けていたドルはこのところ弱含んでいる。FRBはこの日、半期ごとに議会に提出する金融政策報告書で、今年前半の米経済は引き続き「底堅いペース」で推移する一方、関税引き上げが世界貿易や企業投資を圧迫し、最近の数カ月間で経済が弱まったとの認識を示した。

ドイツ経済省が発表した5月の鉱工業受注指数は前月比2.2%低下と、市場予想を大幅に下回り、同省は鉱工業部門の低迷は今後数カ月続く可能性が高いとの見方を示した。これを受けユーロは圧迫された。 

ユーロ圏では国債利回りが低下を続けており、高利回りを求めてユーロ圏から資金が流出。ユーロの対ドルでの上昇が抑制される要因になっている。 

ドル/円 
NY終値 108.45/108.48 
始値 108.03 
高値 108.63 
安値 108.05 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1224/1.1228 
高値 1.1262 
高値 1.1270 
安値 1.1208