[ワシントン 15日 ロイター] – 米NBCニュースは15日、トランプ米大統領が、2020年の国政調査に市民権に関する質問を追加することを断念したことを受け、ロス商務長官(81)の解任を検討していると周辺に明らかにしたと伝えた。国政調査は商務省が所管している。 

ホワイトハウスはコメントを控えているものの、ムニューシン財務長官は記者団に対し、トランプ大統領がロス長官の役割に満足していると強調し、解任を巡る報道を否定。「ロス長官が良い仕事をしていると確信している。それ以外のことは耳にしていない」と語った。 

トランプ大統領はかねてから、特に一部通商交渉の不調を巡りロス長官に不満を抱いていたが、同職にとどめていた。しかし、昨年終盤ごろから解任説もささやかれていた。 

商務省は声明で、ロス長官が「引き続き米国民を代表し任務を遂行し、トランプ大統領の『アメリカファースト(第一主義)』政策を推進する」とし、現在は南部ルイジアナ州に上陸したハリケーン「バリー」の対応を指揮しているほか、先週末にトランプ大統領のウィスコンシン、オハイオ州訪問に同行していたことを明らかにした。 

米最高裁は6月下旬、2020年の米国勢調査での市民権に関する質問追加について、政府が十分な説明を行っていないとして、無効との下級審の判断を一部認める決定を下した。トランプ大統領は11日、質問追加を断念すると表明。ただ市民権を持たない移民の数を把握する取り組みは撤回しないとし、関係機関にデータ収集を指示した。