- 「2%未満だが2%に近い」という目標が適切かどうか分析
- ドラギ総裁は「対称的な」アプローチを好んでいる
欧州中央銀行(ECB)のスタッフは、同中銀のインフレ目標の見直しについて検討を開始した。事情に詳しい複数の当局者が明らかにした。目標を見直すことにより、金融緩和をさらに長く続けやすくなる可能性がある。
スタッフは「2%未満だが2%に近い」とうい消費者物価上昇率の現在の目標が金融危機後の時代にも依然として適切かどうかを含め、ECBの政策アプローチについて、非公式に分析している。
スタッフの作業は部外秘で予備的なものだとして当局者らが匿名を条件に述べたところによると、ドラギ総裁は「対称的な」アプローチを好んでいる。これは、長期にわたる低インフレの後にはインフレ率がある程度の期間、目標を上回ることを容認することを意味する。
関係者の1人によると、政策委員会メンバーは現在の目標の有効性について、金融政策担当ディレクタージェネラルのマッシモ・ロスターニョ氏からプレゼンテーションを受けた。明確に2%という目標にすれば、インフレ率とインフレ期待を高めるのが容易になり、将来に利下げする場合、政策金利のマイナス幅をあまり広げなくて済むと同氏は説明したという。
目標そのものを変更するには恐らく正式な検証が必要だろうと当局者らは述べた。ECB報道官はコメントを控えた。
原題:ECB Studies Revamping Inflation Goal in Twilight of Draghi Era(抜粋)