- トランプ氏が人民元安を「為替操作」と非難、中国も報復関税の可能性
- FRBも市場「注視」、市場が米中摩擦に警告、銃撃事件で大統領発言
米株式相場はS&P500種株価指数が3%下落し、今年最大の下落率となりました。背景は米中貿易戦争の激化で、他にも金や日本円が買われるリスクオフの流れとなりました。米政権幹部は否定するものの、市場では米財務省が為替市場に介入してドル安に誘導するとの観測も出てきています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
重大な違反
トランプ大統領は、中国が人民元を押し下げており「為替操作」だとツイッターで非難。「米金融当局よ、聞いているか?」とし、「これは重大な違反で、時とともに中国の力を大きく弱めることになる!」と主張した。ツイートは、ドル安を目指した直接的な介入を米財務省に指示するよりも、米金融当局に対し中国への対抗措置として緩和策を引き続き要求することを示唆している。
報復の応酬
中国商務省はウェブサイトに6日掲載した声明で、8月3日後に取引が成立した米農産品に関税を課す可能性を排除しないと表明した。中国からの輸入品3000億ドル(約31兆8000億円)相当に10%関税を課すという米国の脅しは、6月の大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて行った米中首脳会談での合意に反していると主張。中国の関連企業は米農産品の購入を停止しているとした。
「注視」
米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事とカンザスシティー連銀のジョージ総裁は、株価の大幅下落に懸念を示しつつも、金融当局としての対応の可能性については明言を避けた。ブレイナード理事は「動向を非常に注視している」とし、金融当局は「成長を維持することにコミット」すると説明。ジョージ総裁は、相場の動きの速さを踏まえると「今できるのは、それがどう広がるのか注視していくことだけだと思う」と述べた。
10段階で、「11」評価
エスカレートする米中貿易摩擦にウォール街が警告を発している。カウエンのクリス・クルーガー氏は、中国の対米報復は「大規模」で、「1から10の10段階評価で、11だ」と指摘。モルガン・スタンレーのマイケル・ジーザス氏は「次の関税は発動される可能性が高い」とし、「米金融当局をハト派に傾斜させる」と述べた。またBMOのイアン・リンジェン氏は、現時点での最大の未知数は、今後どの程度のさらなる人民元下落が容認されるかだとの見方を示した。
変わるか銃規制
トランプ大統領は30人以上が犠牲になった週末の銃撃事件を受け、人種差別と白人優越主義に対する、これまでで最も強い非難の言葉を発した。ただ、銃所有に関する新たな規制は求めず、精神疾患やビデオゲームなどの暴力的な描写が事件の背景にあるとの認識を示した。トランプ氏自身による人種間の対立をあおり移民に反対する発言がこうした暴力を誘発したと、民主党議員の一部は主張している。
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