【ニューヨーク時事】米テキサス州エルパソのショッピングモール銃乱射事件のパトリック・クルシウス容疑者は、犯行直前にヒスパニック系移民への憎悪を記した声明をインターネットに出していたとみられている。

過半数が「トランプ氏は差別主義者」=大統領弾劾は反対多数-米世論調査

 声明は「ヒスパニックのテキサス侵攻」への対応として、攻撃を行う意向を表明。「ヒスパニックは、私が愛するテキサスの地方・州政府を支配し、民主党の牙城にする」と記すなど、偏見に満ちた反移民感情を書き連ねている。さらに、ニュージーランドのクライストチャーチで51人が犠牲になった今年3月のモスク(イスラム礼拝所)乱射事件の犯人への支持を示している。

オルーク元米下院議員=6月26日、米フロリダ州マイアミ(AFP時事)

 容疑者が暮らしていたのはテキサス州ダラス郊外で、事件現場からは遠く離れている。メキシコ国境沿いにあるエルパソの人口の8割はヒスパニック系移民で、移民を狙った犯行の可能性が指摘されている。

 米国では、移民やユダヤ人を攻撃対象とした憎悪犯罪が増えている。トランプ大統領は移民への反感を駆り立てるような発言を繰り返し行っており、大統領の言動が憎悪犯罪を助長しているとの批判もある。

 テキサス州を地盤とし、民主党の大統領候補に名乗りを上げているオルーク元下院議員は乱射事件を受け、「トランプ氏は人種差別主義をあおり、暴力をもたらしている」と厳しく非難した。