- 貸し出しの新レファレンスレート公表開始-8月から毎月20日
- 全般的な貸出金利下がり、利下げに相当する効果発揮か-聯訊証
中国人民銀行(中央銀行)は17日、銀行貸し出しを巡る新たなレファレンスレートの公表を始めると発表した。借り入れコストの引き下げをもたらす金利改革をさらに一歩進める。
声明によれば、人民銀は新たなローンプライムレート(LPR)を今月から毎月20日午前9時30分(日本時間同10時30分)に発表する。市中銀行にはLPRを「中心に」参照し、企業と家計への新規融資の金利を設定するよう義務付ける。融資残高の金利は当面変更しなくても良い。
新たなレファレンスレートの活用は、共産党の指揮による影響が残る金利システム改革の「ラストマイル」を当局が終えつつあることを示唆している。金利制度の見直しがうまくいけば、米国との貿易戦争が長引く中、国内で新たな資金需要を掘り起こし、経済成長を支援することが可能になる。
人民銀は17日、新たなLPRの算出で金利を提示する各市中銀行が中期貸出制度(MLF)金利(現在3.3%)に上乗せするスプレッドについて報告すると説明。現在の1年物貸出基準金利は4.35%となっており、LPRで設定された新規貸出金利は大幅に下がる公算が大きい。
人民銀はLPR改革で「実質貸出金利の引き下げ効果」が得られると指摘した。
聯訊証券の李奇霖チーフエコノミスト(北京在勤)はリポートで、今回の見直しによって「実体経済の全般的な貸出金利が下がり、利下げに相当する効果を発揮する」との見方を示しながらも、20日公表される金利を見なければ有効性は分からないと記した。
原題:China Lines Up Lower Borrowing Costs with Revamped Rate System(抜粋)