26日、米ニューヨークで記者会見するイランのロウハニ大統領(上塚真由撮影)
26日、米ニューヨークで記者会見するイランのロウハニ大統領(上塚真由撮影)

 【ニューヨーク=上塚真由】イランのロウハニ大統領が26日、国連総会に合わせて米ニューヨーク市内のホテルで記者会見し、2015年のイラン核合意について「最大限の合意だとは考えていない。現在の合意を上回るものにすることも可能だ」と述べ、米国による制裁解除が前提とした上で、再交渉の可能性に含みをもたせた。

 米国と欧州は、イランによるミサイル開発計画を含めた新たな核合意に向けた交渉を模索している。ロウハニ師は新たな交渉の可能性について問われ、再交渉のためには「現行の核合意を完全に履行することだ」と述べ、米国が経済制裁を解除することが条件とした。また、一方的に核合意を離脱したトランプ大統領については「政府間による合意は、好き嫌いを選ぶ食品のメニューではない」と述べて批判した。

 14日に発生したサウジアラビアの石油施設攻撃に関しては、「われわれは関係していない」と述べ、改めて関与を否定。米国や英仏独がイランの関与を指摘していることに「証拠を示すべきだ」と反発した。

 国連総会では、欧州諸国や日本などが個別会談などを通じて対話を促したが、制裁解除を求めるイランと、「最大限の圧力」路線を堅持する米国の対立は解消されず、糸口は見いだせていない。