[ワシントン 1日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は1日、下院がトランプ大統領の弾劾訴追に向けて国務省の現旧当局者5人から宣誓供述を求める動きに反対を表明した。 

トランプ大統領が来年の米大統領選を視野にウクライナ政府に野党・民主党の有力候補と目されるバイデン前副大統領の調査を依頼した問題を巡り、下院はトランプ大統領弾劾に向けた正式調査を先週開始した。 

調査に絡み、下院外交委員会のエンゲル委員長は今週から来週にかけて国務省の現旧当局者5人から宣誓供述を得ることを国務省に要請。ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使やボルカー元ウクライナ担当特別代表らが含まれる。 

イタリア訪問中のポンペオ長官はツイッターに書簡を投稿し、エンゲル委員長の要請は「威嚇や脅し、国務省の優秀な人材を不適切に扱う行動と受け取れる」とし、懸念を表明。全力をかけて「国務省職員に対するいかなる脅威も阻止する」と言明した。 

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先に、大統領弾劾に向けた正式調査の引き金となった7月のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談にポンペオ長官が同席していたと報道。 

エンゲル委員長のほか、下院情報委員会のシフ委員長、下院監視委員会のカミングス委員長は声明で、この報道が正しければ、ポンペオ長官は「事実の目撃者」だと指摘。また「国務省職員を含め、証人を脅したり、議会証言を阻止しようとする試みは違法で、弾劾調査妨害の証拠になる」と警告した。 

国務省は4日までに下院外交委の召喚状に回答するとした上で、宣誓供述を用意する十分な時間が与えられておらず、行政機関との相談なく5人が宣誓供述に応じることはないという可能性を示した。