[アテネ 1日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は1日、投資促進に向けユーロ圏の各国政府に対し財政出動を呼び掛けた。
ドラギ総裁はアテネで行った講演で、各国政府の財政出動は十分でないとの見解を示し、「ユーロ圏全体として投資に主導された刺激策が最も効果的な対応となる」と述べた。
ユーロ圏では共同予算はまだ編成されていないが、ユーロ圏財務相は先月、景気が悪化した場合は行動を起こす用意があると表明。ドラギ総裁は、2021年に実現する予定のユーロ圏共同予算について「正しい方向に向けた第一歩」とし、加盟各国の公共投資も一助になると述べた。
その上で、各国政府のこうした対応でも効果が得られなかった場合はECBは刺激策を打ち出すと改めて確約。「いずれの道を選んだとしても、金融政策は効果を発揮し続ける」とし、「成長とインフレの見通しの継続的な弱体化に直面する中、ECBは9月の理事会で決断を示した」と述べた。
ECBは9月12日の理事会でマイナス金利の深掘りのほか、資産買い入れ策の再開などを含む包括的な緩和策を決定した。今月末に8年の任期を終えて退任するドラギ総裁にとって、24日の理事会が最後の理事会となる。